目次
神経麻痺に関連する事
一度、神経が切れてしまった後、再生し始めた神経繊維は、また神経同士がつながろうとして、神経を伸ばしていきます。
このグラフは、顔面神経の回復過程を表しているものです。 出典は 顔面神経麻痺が起こったらすぐに読む本です。 柏森良二 著
このグラフから言えることは、麻痺をしている表情筋を動かしたり、電気で表情筋を刺激して動かす事は顔面神経の再生のために有効です。しかしながら、もとにあった神経の場所でない所にも神経が伸びていくので、迷入再生となってしまって後遺症がひどくなることもあるのです。
例えば、目の周りにある眼輪筋は自然なまばたきや、口の周りにある口輪筋は食べたりしゃべったりする事で、筋肉の収縮が1日に2万回も及んでしまう事があります。このことから、これらの表情筋には迷入再生繊維ができやすくなってしまいます。
それによって、病的共同運動と言って 口笛吹き 頬膨らまし をすると眼が細くなってしまったり、まぶたが閉じてしまう、また、眼を閉じると、麻痺のある側の口角が上方、外側に引きつってしまう、といった特徴の動作が出てきてしまいます。
顔面神経麻痺のリハビリは、この点が難しいといわれています。
発症から3ヶ月目ぐらいまでは、順調に回復をしていくのですが、迷入再生は(神経が再生する際にごちゃごちゃと他の神経と繋がってしまう事)4ヶ月まででない事が多いので、この際の治療で早く治そう、もとに戻そうと麻痺した部分をゴリゴリマッサージしたり、かなり強い電気の治療はよくないので注意が必要です。
前頭筋 眼輪筋 上唇挙筋 頬骨筋 笑筋 に多くみられる感じがします。。
当院では、その点も含めてしっかりとクライアントさんの顔面神経麻痺の状態に合わせた治療をしていくので、おまかせください!
また顔面神経麻痺の後遺症についてですが
多くの顔面神経麻痺は、最初は軽い症状から始まって、2日目、3日目と次第に症状が悪化して、やがて麻痺し始めた部分の表情筋は完全に麻痺してしまいます。
この経過は、顔面神経麻痺の表情筋は完全に麻痺してしまいます。この状態は、顔面神経の炎症と浮腫による圧迫と損傷が起こって、表情筋に向かって神経繊維が切れてしまっているのです。したがってこの状態から顔面神経に炎症を起こしているウィルスに対しての薬が必要となってきます。一般的に顔面神経麻痺の症状は5日から7日ごろに固定します。その後に早期に回復することもありますし、長引く可能性もあります。
回復期に顔面神経麻痺の発症から数日の間においての、神経損傷の程度によってその後の回復に差が出てくると考えられています。
損傷した神経は、自己を修復しようと神経の再生をします。
上にある表は、神経の切れた箇所の修復の過程を表したものです。 出典は 顔面神経麻痺が起きたらすぐに読む本です。 柏森良二 著
実は神経の切れた箇所によって修復する時間も違ってきます。
・脱髄
・軸索断裂
・神経断裂
です。
脱髄では、神経が切れてところでの伝導ブロックが改善されてくると3週間ほどで治ります。
軸索断裂においては、神経内膜に導かれるように1日1ミリで再生して3ヶ月ほどで治ります。
神経断裂においては、3ヶ月ほどぐらいまでは順調に回復してきますが、4ヶ月以降が迷入再生から病的共同運動、顔の表情筋の筋力低下等の後遺症が見られてきます。ここから回復するのが大変になってきます。
まとめると、顔面神経麻痺の後遺症が残る、残らない、治療期間は最初の数日間で決まってしまうという事です。
顔面神経麻痺の原因
顔面神経麻痺に関しては当院の鍼治療は大変効果的です。
今回は顔面神経麻痺の原因についてお話します。
顔面神経麻痺が起こっているのですが、どうしてその様な状態になっているかを説明していきます。
突然、顔の表情がコントロールできなくなります。これが一番の顔面神経麻痺の特徴です。
人間の顔に表情を作り出す仕組みは、とても複雑になっています。顔には表情筋として20個ほどあります。
その一部の筋肉を上に載せています。(ネットよりお借りしました。)
これらの筋肉が合わさって、怒り、驚き、喜び、幸福の表情を表していきます。
この表情筋の動きを支配しているのは、顔面神経です。
この顔面神経に異常がきてしまうと、先ほど書いたとおりに
朝、起きた時に 顔がひきつる! 目・口が動かないといった状態になってしまいます。
顔面神経麻痺の原因としては、お顔にある神経が切れてしまって動かせない状態になっています。
まずは、神経からお話しをしていきたいと思います。
顔には23個の表情筋があります。1本の神経は、約3,000〜4,000本ほどの神経繊維からできています。
この神経繊維1本1本が外側から神経内膜 髄鞘 軸索 となっています。
この状態がウィルスや外的な力によって切れたり炎症が起こると神経が切れてしまいます。
顔面神経において、炎症が起こりやすいのは、顔面神経が脳から表情筋へ向かう途中の膝神経節と呼ばれているところで、ここは周囲が硬い骨に囲まれているので、神経は膨張する事ができないのです。ですので顔面神経が圧迫されて1本1本の神経繊維に損傷が生じてしまいます。
この損傷の場所によって
・脱髄型:髄鞘が壊れます。
・軸索断裂型:軸索が切れます。
・神経断裂型:神経全てが切れます。
があります。
膝神経節から表情筋までの距離は平均9センチあります。この神経が回復するためには6ヶ月ほどかかるのです。
顔面神経麻痺の60%の割合が多いのはベル麻痺です。
体内に存在しているヘルペスウィルスによって引き起こされているのです。
このヘルペスウィルスは、ひとつではありません。実に8種類ものウイルスが知られており、感染するウイルスにより、引き起こされる病気や症状はまったく異なります。
実は顔面神経麻痺に関係しているウィルスは、ヘルペスウィルスである事が分かっています。
簡単にいうと幼い頃にかかった 水ぼうそう ですね。大人になってこのウィルスが原因で帯状疱疹というのになります。
ここでウィルスと聞いて、感染るの??
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな事はありません。インフルエンザとかとは違います。
顔面神経麻痺に関係するウィルスで他人に顔面神経麻痺は絶対感染しませんので安心してください。
麻痺しているのは顔面の筋肉ではなく神経が問題なのです。
次回はその神経について詳しく話していきたいと思います。
前回のブログでは、顔面の神経が切れる事で顔面神経麻痺が起こって顔の筋肉が動かなくなってしまうと書いたのですが、今回は顔面神経麻痺の2つの種類について詳しくお話していていきたいと思います。
顔面神経麻痺は ベル麻痺 と ハント症候群 です。
ベル麻痺はハント症候群に比べて症状が軽いです。ベル麻痺の原因はこれまで原因不明とされてきましたが、口唇ヘルペスを起こす単純ヘルペスⅠ型ウィルスが再活性が原因と分かってきました。これは、ヘルペスウィルスが体力が落ちた際に活性化する事で顔面の神経が麻痺してしまうそうです。ベル麻痺の発症率は人口10万人当たり1年間に20〜30人とされています。
当院に顔面神経麻痺で来院されているクライアントさんの中にも、ベル麻痺の方は半数ぐらいで比較的1ヶ月〜3ヶ月で完璧に治る事が多いです。
一方で、ベル麻痺と比べて重症化しやすのが、ハント症候群です。
顔面神経麻痺のベル麻痺に比べて発症の前や後に帯状疱疹がでてきたりするとハント症候群の可能性があります。
ハント症候群は時々、耳全体が赤く脹れたり、耳の後ろに強い痛みを感じたりします。ひどい方になってくると、耳の中にある内耳神経も同時に侵されたりする事もあるので、めまい ふらつき 等が引き起こされたりします。
ハント症候群は、顔面神経管内に潜んでいた水痘帯状疱疹ウィルスによって引きおこされています。幼い時に水痘(水疱瘡)にかかって時に残っていたウィルスが顔面神経麻痺を引き起こします。ウィルスは違いますが、ベル麻痺と同じです。
ハント症候群は神経細胞に対して損傷が強いので、ベル麻痺と比べるとひどい麻痺になりやすいです。当院に通院されている方の中にもハント症候群の麻痺の方もいて通院期間も長くなる傾向です。発症率は人口10万人当たり2〜3人です。
顔面神経麻痺の症状
いきなり顔が歪んでしまうと、今まで経験のない様な感じと絶望感が襲います。
ここからは、急性期における顔面神経麻痺について詳しく解説したいと思います。
出典は 顔面神経麻痺が起きたらすぐに読む本 柏森良二 著 です。
上の絵は、顔の左の部分が顔面神経麻痺になってしまっています。
症状をまとめると
・左眼を閉じることができない。
・左側の唇から空気が漏れてしまう。
・唇を収縮できず口笛を吹けない。
・表情筋が右側に偏移している。
・左額の前頭筋(おでこです。)が収縮しないため、左眉があがらない。
・左口角が動かない。
といった症状がでます。この様な状態になったらすぐに耳鼻咽喉科に行かなければならないです。
できるだけ大きな総合病院の方がいいと私は思います。
総合病院の方が時間はかかりますが、稀に脳神経や脳に問題があって顔面神経麻痺になってしまっている事があるからです。
すぐに治ればいいのですが、なかなかそういうわけにはいかない事が多いです。
当院に来院されている顔面神経麻痺のクライアントさんの状態をみてみると、半年から1年かかる方が多い様に感じます。きちんと当院の治療と西洋医学の治療を病院で受けながら治療を併用していくのが一番いいです。