鍼灸における耳鍼治療

今回は、鍼灸における耳鍼について述べていきましょう。

耳鍼と聞いて思いつくのが、耳つぼダイエットでしょう。

耳に刺激をする事で、あまり食べなくていい状態を作り出すというのが一般的な考え方になります。耳に満腹中枢があってその部分を刺激するというものです。

       参考文献 欧米耳針法の理論と臨床 M・Hチョー著 医道の日本社より

上の図で赤い丸で囲んだ所です。この部分を刺激をする事で消化器関係の臓器をコントロールする感じです。


ここが効くのか?という事ですが、個人差がかなりあるという事で。。。

耳鍼は各国諸説ありますが、耳つぼの流派には、大きく分けて3つあります。

日本において行われているのは中国式が多いです。

先程あった満腹中枢というのは、この中国式の耳ツボからきています。

また、実はアメリカ軍においても戦闘が行われている前線等で使用されています。
前線でモルヒネが必要な際に代用として使われているそうです。


耳の痛みのある反射区に、戦場にある小石等を使ってその部分を刺激をして痛みを飛ばしているのです。

復員後のPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害
にも大きな効果があります。

この鍼灸治療法は、battlefield acupuncture(バトルフィールド・アキュパンクチャ)
と呼ばれています。

アメリカ軍医であるRichard C. Niemtzow Niemtzowが名付けた鍼灸の方法で
疼痛管理に有用として知られている耳の部位に鍼を行う。


耳は戦場や病床で刺鍼しやすくかつ、即効性があるので大変重宝されています。

当院でもそれらを応用して治療を行っております

自律神経失調症やパニック障害といった症状等に大変効果的です。耳に対しての刺激はあまり強くない方がいいです。


それについては後日詳しく述べようかと思います。

日本以外の国では、臨床や研究が進んでいますが日本ではなかなか実証研究がされていないのです。。

ですのでこの様な素晴らしい治療法が世の中に普及して一人でも多くの方を救うのを願ってやみません。

話を戻します。

世界の耳鍼の手法は大きく分けてアメリカ軍式、中国式、フランス式(ノジェ)があります。

フランスのノジェ氏の耳鍼方法が結構参考になると思います。私の師匠である向野義人氏が

Nogier博士の耳介治療ハンドブック (著)Raphael Nogier  (監訳)向野義人

書籍を出していますので、専門的に学びたい方は参考にされてください。
(一般の方向けに書いてはいないので内容がかなり難しい内容となっています)

この耳介治療の創始者であるPaul Nogier氏の息子であるRaphael Nogier氏は、この領域では第一人者です。


父親とともに研究をされていて、日々新しい手法を研究されています。

実際、臨床で自律神経系を調整する際に使っていく場合はアメリカ軍式とフランス(ノジェ)式に沿った考えが治療に効果的です。身体の疼痛に関するものであれば中国式の方が効果が高い場合もあります。

Translate »
error: Content is protected !!