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米軍の兵士が互いに耳鍼をしている!?
これは、2010年のハイチ大地震の時も救助に現地入りした米軍が負傷者に最初に行ったのが耳鍼でした。
鍼の代わりに爪で耳のポイントを押して、痛みで苦しむ人々の苦痛を和らげて、その後の治療に役立てたといいます。
実は、アメリカ軍の中では前線で使える様に、全兵士に耳鍼のやり方を教えています。
このアメリカ軍でも行われている耳鍼は24金のフランス製で製で専用の鍼を用いており1本50セント(約40円)アメリカの整形外科では痛みを訴える患者さんに鎮痛剤を処方すると60〜70ドル(6200円〜7200円程)の薬代がかかる。それと比べると医療費を抑える事ができます。
この耳鍼を開発した軍医は放射線科の医師である、Richard C. Niemtzow氏です。
この鍼を開発するにあたってNiemtzow氏は、まず海の中でも空の上でもどこででも兵士にすぐ鍼を打てるように念頭においたそうです。
そこでヘルメットを着用しても大丈夫な様に耳に絞って、治療を行っていて効果も85%だそうです。
アメリカ軍式耳鍼のやり方
具体的にどの様に施術を行っていくかというと
下記の図の様に (医道の日本 2013年 2月号参照)
1.患者に痛みのレベルを数値で表してもらう。
2.帯状回に鍼を打つ(左右どちらでもよい)
3.打った後に20歩ぐらい歩く。
(効果が感じない場合は反対側の帯状回に)治療前と比較する。
効果のある側を決める。
4. 2番目以下を同じ様にやっていく。
※痛みのレベルが1か0になるまで行う。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)に耳鍼が効く?
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。ストレスとなる出来事を経験してから数週間、ときには何年もたってから症状が出ることもあります。 厚生労働省HPより
戦場で受けたストレスは、負傷による痛みや精神的なものの痛みが引き金になる事が多いです。
PTSDにはこの耳鍼と精神医学の2本柱で行う治療が大変効果的であるとNiemtzow氏は述べています。
この耳鍼をすることで、精神的に落ち着くので、回復が早くなります。
また痛みをずっと我慢していると、それがうつの症状を引き起こしてきます。
気分をよくする働きもあるそうです。
当院でも、耳鍼によって多くの症状が改善しています。この耳鍼治療が世の中に普及することが望まれます。
参考文献 医道の日本 2013年 2月号