低周波療法
周波数が1万Hz以下の交流を低周波といいます。この周波数は低周波治療に用いられるものの、波形は正確には交流(正弦波交流)ではなく、むしろ直流の一種とされています。
このように一定の間隔をおいて規則性または断続的に流れる直流をすべて「脈波」(パルス波)といってます。
直流・交流・パルス波(脈波)の特徴
なぜ現在、低周波治療がパルス波中心になっているかというと、従来の低周波電気機器は直流が用いられてきましたが、これ状態だと皮膚の刺激効果が大きいです。一方で交流だとその働きが弱いので治療に用いられなかったです。ところが人体に鍼を刺してパルス波を発生する機器につなげて皮下に通電刺激をすると低周波で交流の方が治療効果が高い事がわかってきました。
人体に電気を使用する際は、電気量を最小限にして刺鍼刺激感覚がソフトになるようにしないといけません。
そのためには、パルス幅が120〜250μsec(諸説あり)くらいのところに整流し、正・負の双向性のある電流、つまりパルス波の電流が用いられるようになってきています。このパルス幅が短いほど電気量が少なくて刺激が小さいから患者に対して苦痛が少なくて治療ができます。
特徴としては、高周波と比べて、ピリピリとした刺激がある。
刺鍼をして、そこにパルスの陽極・陰極をつけて通電すると、分極と言う現象が起こります。
陽性の下には陰イオンが陰性の下には陽イオンが集まるようになる。一般には陰性の方が刺激点となると考えられている。
低周波療法の通電方法と波形
鍼による低周波療法における効果としては以下のようになります。
・血液、リンパ液の循環促進
・代謝機能亢進作用
・病的産物の吸収
・神経、筋肉の興奮を高めてその機能を促進して鎮静的にも働き、筋肉のトーヌスを低くして、疼痛を弱める。
・皮膚温が高くなって血液量が増えて、発赤して、皮膚吸収を高めて、皮膚の再生力が高まって、抵抗力を増して関節ないの血行が高まって、関節内の新陳代謝が促進される。
耳鍼療法における通電治療のまとめ
・決まった通電の仕方がある訳ではないが左右に電極をしたり片方にする場合があります。
・豪鍼を使用する際は、鍼のサイズや刺激に注意をします。耳は皮膚が薄かったり、軟骨があるので刺激量も注意が必要です。場合によっては、使い捨ての粘着パッドを使ってもいいです。
※耳介は出血したり腫れやすいの細心の注意が必要
・耳の通電治療の場合は神経支配を考えてやると効果が高いです。
・電気量やパルス幅は患者の状態に合わせてやります。
支配神経と治療ポイントの優先順位
ノジェ式の耳鍼療法の基本としては、a→b→cとポイントを見つけて、ポイントゼロから最も離れたポイントから治療します。しかしながら、臨床においては時間が限られている事が多いので、患者の症状に合わせて、ポイントを見つけて刺激(鍼や電気をすると良い)をするといいです。同業者の方は参考にされてください。
参考文献:Nogier博⼠の⽿介治療ハンドブック Raphael Nogier(著), 向野義⼈(監訳) :ダイオード療法 (著)吉元昭治